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〜鉱山から私のもとに届くまで〜

Vol.23 石垣島産のヘナが叶えるオーガニックなヘアケア

ものづくりの背景には、作り手の感性や技術とともに、産地へのこだわりやリスペクトの想いがあります。さまざまな分野で活躍する方々に輝きの秘密をうかがいながら、サザンアフリカのダイヤモンド鉱山で採掘された原石がダイヤモンドジュエリーとなるまでの確かなプロヴェナンス(来歴)とトレーサビリティ(生産履歴)を誇るSABIRTHとの共通項を探ります。

 

【Vol.23 渡邉季穂さん/uka代表】

ネイルから「トータルビューティー」のサロンへ

桜並木に面した大きな窓から光が注ぐ、uka東京ミッドタウン 六本木店。ここをはじめ都内にサロンを4店舗、全国にストアを11店舗展開するトータルビューティカンパニーで代表をつとめているのが渡邉季穂さんです。
「祖父の代から実家が理容室と美容室を営んでいたので父に勧められるまま美容学校に行きましたが、そのまま美容師になるのはどうしても気が進まなくて…。アルバイトをしながらファッションやメイク、お料理の学校に通い、やりたいことを探す20代前半でした」。

そんなある日、友人に連れられて訪れたネイルサロンが人生の転機に。
「感動したのはアートではなくケア。甘皮が処理されて綺麗になった手指に衝撃を受けました。子どもの頃から、ささくれや肌のザラつきが気になる性格だったのですが、丁寧にケアされるとこんなに美しくなるものか、と驚き、気持ちまで清々しくなって、やっと自分がやりたかったことを見つけた!と思いました」。

その場で入学手続きをしてネイルスクールへ。卒業後は父の向原一義さんが創業したEXCEL青山店の片隅に机を一つ置いてネイリストとしての第一歩を踏み出しました。
「ヘアと同時にネイルもできればお客様に喜んでいただけるかと思ったのですが、当時はまだ都心でもネイルサロンは少なく、ハンドケアやマニキュアは自分で行う方がほとんどという時代。軌道に乗せるのはなかなか難しかったですね。そんな頃に訪れたロサンゼルスで、ヘアとエステとネイルが同じお店でできるトータルビューティーサロンに出会いました。ブローとネイルやペディキュアを同時にできたり、併設されているカフェからデリバリーしたお茶を楽しんだり。お客様もスタッフもキラキラしたエレガントな世界が本当に素敵で、日本にもこういうサロンをつくりたい!という思いに駆られました」。

こうして2006年、東京ミッドタウン六本木にサロンをオープン。そして2009年に社長就任と同時にEXCELからukaへと屋号を改め新たなスタートを切りました。同時にサロンの延長の自宅ケアで手軽で習慣化できるアイテムとして、オリジナルのネイルオイルも発表し、人気は現在に至っています。

2007年には東京ミッドタウン店のオープンとともにサロンの延長の自宅ケアで手軽で習慣化できるアイテムとして、オリジナルのネイルオイルも発表し、人気は現在に至っています。

ヘアカラーの概念を変えた石垣島産のヘナ

渡邉季穂さんがukaで目指す美のキーワードは、“その人らしさ”。
「髪もネイルも、ヘアスタイルやアート以前に手入れが行き届いて艶やかであることが大切。ベースが整うと “私はこれでいいんだ”と肯定でき、自信が生まれ、自分のことを好きになれます。私たちの仕事は、それをお手伝いすることだと思っています」。

そんなukaが今、新たな注目を集めているのが石垣島産のヘナによるオーガニックなヘアカラーです。
「ヘナは、古くからインドで用いられてきた天然染料。私自身も以前から興味は持っていたのですが、科学的なカラー剤と違い頭皮にも環境にも優しいことをヘアスタイリストのshucoさんに力説され、リサーチを進める中で石垣島でヘナとインディゴを栽培している方に辿り着きました。早速石垣島に飛んで農薬や化学肥料を一切使わない循環型の農業で愛情を込めて栽培している農園を見せていただき、初めてのヘナも体験。その場でぜひ一緒に製品化に取り組ませてくださいとお願いしました」。

天然の染料であるヘナは髪に艶やコシをもたらす一方で、染め上げるには時間を要し、また単色ではオレンジみの強い色に染まってしまうという偏見がありました。ロンドンでの経験も長いukaのトップカラーリストは最初は戸惑ったと言いますが、知るほどに奥深いヘナの世界に魅せられ、時間の短縮や、同じく天然の藍色染料であるインディゴとのミックスで顧客が好むダークなトーンの髪色に仕上げるための研究が進みました。

こうして2022年、ukaは石垣島産のヘナを発表。誰もが自分のペースで染めることができるよう、サロンでの施術とホームケア用のアイテムの2本柱で展開しています。

 

ジュエリーも美容も、美しさの先に幸せが待っている

「石垣は大規模なリゾート開発が行われていない、素朴で心地よい島。大地のパワーが強いのか、植物がぐんぐん育って、ヘナも春夏の一番摘みと秋冬の二番摘みの年に二度収穫できます。ヘナの葉は一枚一枚手摘みして枝やゴミを取り除き時間をかけて臼で挽いて粉にするので大量には生産できないのですが、そんなところも今の私たちのブランドの規模にはちょうど良いのかもしれません。無農薬で育てられた天然染料なので水に流しても環境を汚染する心配もありません。ゆくゆくは石垣島のヘナ農園の傍らにリトリート施設をつくりたい、と夢は広がっています」。

渡邉季穂さんがトータルビューティーを叶えるエレメントとして石垣島産のヘナに思いを注ぐように、サバースもまた良質なダイヤモンド原石の産地であるサザンアフリカ産のダイヤモンドにこだわり、鉱山での採掘から研磨、ジュエリーに仕立てられるまでの行程を明確にジュエリーを生み出してしています。

「ヘナのプロジェクトを始める時に“石垣産のヘナは大間のマグロのようなもの”と例えたのですが、食料品のジャンルではすっかり定着している“産地やつくり手の顔が見えることの大切さ”が、今後はさまざまな分野で当たり前になっていくのでしょうね。ダイヤモンドも産地や来歴を知ることができれば安心感が高まります。ジュエリーも美容も、極端に言えば存在しなくても生きていくことはできますが、それでも私たちがダイヤモンドに魅かれたりサロンに通ったりするのは、身につけたりケアをすることで綺麗に、元気に、幸せになれるから。私自身もシンプルな服が好きでずっと削ぎ落とすお洒落を楽しんできましたが、ここ2〜3年、急にジュエリーで遊びたいと思うようになりました。年齢を重ねるとゴールドやダイヤモンドの光を加えることも大切ですね」。

最後にトップネイリストとしても活躍する渡邉さんに、ジュエリーとネイルの組み合わせのアドバイスを伺ってみました。
「ジュエリーが主役ならネイルアートは必要ないかもしれません。きちんとケアされた美しい爪や肌が、ダイヤモンドを、そして、その方を一番輝かせる気がします」。

アフリカの国花プロテア種の花芯と花弁のモチーフを自由に組み合わせられる「ペトロ」。ピンクゴールドとプラチナの花芯モチーフをレイヤード。

ペンダント(右)/Petro(花芯モチーフ)〈Pt×ダイヤモンド〉¥528,000
ペンダント(左)/Petro(花芯モチーフ)〈PG×ダイヤモンド〉¥528,000
リング/GOOD HOPE〈PG×ダイヤモンド〉¥1,793,000

 

【プロフィール】
渡邉季穂/KIHO WATANABE

雑誌やCM、広告、ショーやコレクションでのクリエイティブ活動をはじめ、アーティストとしての長年の経験を活かしたプロダクト開発も行う。ネイリストとしてサロンにも立ちながら、“爪そのものを美しく魅せるケア” に重きをおいた独自のネイル技術の普及に努める。プロネイリストの後進育成や消費者へ向けたセルフケアセミナー、ストアプロデュースなど講師としての活動も精力的に実施。著書に『ukaが教える 大人のハンド&ネイルケア』(主婦の友社)。